EQD X DBA Time Shadows(タイムシャドウズ)
takahiro tozawa
日本ではこの突然のコラボは驚いた方も多いのかなー?と想像してしまいますがどうでしょうか?こちらはEQDのメンバー、勿論Death By Audio(DBA)の人達も含めて凄く意味の有る、それでいて思い入れのあるプロジェクトなんですよ。
2020年のパンデミックの真っ只中、Reverb.comが制作したエフェクトペダルを取り扱った映画”The Pedal Movie”の発表と連動して行った限定ペダル企画のコラボシリーズとしてEQDが指名された事から始まりました。そしてジェイミーがコラボの相手として真っ先に上がったのがDBAのオリバー。ジェイミーはインタビューでも答えてますが、DBAのオリバーに話を振った時は交渉とか様子を伺うってよりは「ほぼ要求だったんだよ」と、「俺が組みたいのはお前しか居ないんだよ、オリバー」と話を伝えて、そのオリバーも二つ返事で「オッケージェイミー!」との事でこのプロジェクトが始まったとか。これと同時にこの企画ではChase Bliss/ZVEXの強烈なペダルも発表されて瞬殺で完売。あの当時の時間の流れを忘れる人は居ないと思いますが、パンデミック真っ最中で友達とも自分の最愛のパートナーや家族と会うのも制限されて、運が悪く仕事を失う人も沢山居ましたし、リモートで働く様になった人も沢山居ましたが、またこのリモート仕事も人が思うほど楽に感じない人も多い訳で。仕事する場所もご飯食べる場所も、寝る場所も一年以上同じ事の繰り返しで、私Takaの頭の中はホント正常じゃなかったですが(あ、元々そんなに普通の頭の中身では無いんだけども笑)、そんな先の見えない悲しく絶望的な毎日をこのコラボペダルの話がどんだけ励ましになった事か!あの当時はソーシャルディスタンス義務がずーっと有ったからEQDの各社員が自宅に自分の仕事を移動して作業してましたからね。開発と製造も含めてEQD、DBAチームは良く頑張りました。
EQDとDBAのブランド色を有る程度知っている人達ならTime Shadowsの音を聞いたら一発で「あーなるほど。これ以外の組み合わせは無いよね」となる出音のペダル。どちらともDIY精神が今でもバリバリの現役ミュージシャンで、イっちゃってる音が大好きな二人のコラボは速攻で頭と耳の中にストンっと入ってきます。ちなみにTime Shadowsという名前はオリバーが名付けたのですが、さすがのセンス!出音を聞いたらこれ以外にハマる名前は思いつきません。
日本の中古市場でTime Shadowsを見た事が有るのは今まで数回しかなくて、日本で持っている人の話を聞くと中古でeBayとかReverb.comで買ったって人が多いのですが、プレミア価格が付いてて高い!そんあ中で、ジェイミーとオリバーはこのままこのペダルが日の目を見ないのも良く無いし、最高のコラボなんだからもっといろんな人達に届けよう!との事で今回の再販、通常のラインアップのペダルとして帰ってきたんです。
この再販のTime ShadowsのEQDとDBAモードの音はオリジナルとは同じですので、どうしてもオリジナルも欲しい!って人以外は個人的にはこっちのレギュラーバージョンを絶対お勧めします。ここ数年のEQDペダルの定番フォーマット、プリセットとエクスプレッション機能が追加されるので、すでに濃いめなキャラクターの音色をもっともっと濃口での音作りを可能にしており、使用条件や操作感、インスピレーションの感じ方も断然こっちの方が上。しかもオリジナルの限定版では、(ミスって?プログラムが残ってたみたいで)3点式のスイッチでスイッチを真ん中にセットできてたら使えたモード、EQD X DBAモードを正式なスペシャルモード、”!¡”として搭載してます!ちなみにもしオリジナルを弾く機会が有ったら、2点式のトグルスイッチを頑張って真ん中に合わせてみてください。元のプログラムはこの再販されたものとは違うのですが、レインボーマシーン風な音で遊べますよ。でも再度、今回の新しいTime Shadowsのセンターモードは凄くリファインされてて音楽的にもとても使いやすいモードになっております!
DBA側はシャープな印象のビビビっと来るフィードバック具合が最高なマルチディレイですが、Filterを絞ってLo-fi、バックグランドの様に音を引っ込めても良し。Filterを上げ目で使用して正にDBA!とばかりな脳天をつん裂く高音の効いた激しいディレイも。
センターモードはアルペジエーターとして捉えると音作りの方向性が定まるのではないでしょうか?フレキシスイッチを使った瞬時に入れ込む効果音的な使い方は勿論ですが、ディレイ的なリズムに乗せたリズミックな使い方が簡単に想像できると思います。レインボーマシーンを思いつく人も多いと思いますが、Time Shaowsのこのモードはディレタイムをもっと長く取ってるので、リズミックにアルペジエーターみたいな感じで使える訳です。
EQD側は暗闇からボワーっと影が浮き出る様なダースベイダー的なサブハーモニックフィルターディレイ。下から持ち上がるスウェル感を意識しながらの音作りなんてどうでしょうか?
ギターシンセ?空間系?フィルターペダル???ジェイミーが上のビデオで言う通り、これ自体を楽器として扱う様に見れば竿ものとの兼用で『使い道が見つからない』なんて言い訳をする事は無くなりますよ!Time Shadowsから放たれるバイブスを素直に自分の指先に伝達させてください。アイデア満載のペダルだって事が証明されます!
Taka Tozawa アースクエイカーデバイセスのカタログ、説明書、SNSやビデオ等の翻訳を行い、アーティストリレーションや世界各国のEQDペダルを使用している提携スタジオとの。アメリカ、サンフランシスコ在住。ヒップホッププロデューサーDan the Automatorのツアーギターリストを経てEQDとのでビンテージ機材が大好物。