伊東真一インタビュー
takahiro tozawa
EQDとして楽しみにしていた伊東真一さんのギタープレイをガッツリ体験できる素材がやっと完成しました!当社のデモビデオ等では中尾憲太郎さんとのタッグでお世話になっておりましたが、EQDの顔の一人として日本再上陸した時からのお付き合いの彼。もしHINTOや伊東真一さんの音楽に触れた事の無い方はぜひビデオをチェックしてみてください。このクオリティーを目の前で体験できた俺は運が良いな〜と思いました。目を閉じて曲を聞いていると、この目の前にガッツリとある機材とは裏腹にバンドの音が体に自然と入って来るのは、もちろんバンドのチームワークですが、真一さんの知識とセンスによる所も大きいのは間違いないですね。
それではHINTOのバンド活動10周年とEQD Session初登場を記念して行なった、伊東真一さんのインタビューご覧ください!
Taka:まずは自己紹介を!
伊藤真一(以下:真一)どうも伊東真一です。僕はHINTOというバンドでギターを弾いています。他にもSPARTA LOCALSというバンドをはじめいくつかのバンドやユニットでギターを弾いています。
Taka:真一さんがギターを始めるきっかけになったアーティストやバンドってなんですか?
真一:Eric Claptonに憧れてギターを始めました。17歳の頃だったと思います。
Taka:その時はレッスンを受けたりとかしましたか?音楽活動的にはコピーバンドをしたりとか?
真一:レッスンなどは受けず独学で学んでいきましたね。コピーバンドはギターを始めて間もない頃に頼まれてJUDY AND MARYの曲をやりましたが全然弾けてませんでした(笑)。
Taka:Claptonに憧れたってくらいなんで、海外のバンドのコピーとかもしましたか?本格的にオリジナルをバンドで演奏するようになったのはいつ頃ですか?それといつ機材に興味を持ち始めましたか?興味を持ち始めたきっかけは?
真一:いわゆる3大ギタリストとかのコピーはしましたね。最初に組んだバンドがSPARTA LOCALSでその時からオリジナル中心にやってました。もう20年ちょっと前とかですね。初期の頃はRadioheadのCreepをカバーしててその曲が一番良かったとか言われて切なかったです(笑)。機材に興味を持ち始めたのはギターを弾いていくうちに徐々にって感じでしたね。ギター雑誌とかに載ってる自分の好きなギタリストの機材を見て同じものが欲しいっていうのがきっかけだと思います。
Taka:カバーの方が良いってのは心がへし折れますよね(笑)。その当時すでにSPARTA LOCALSを始めてたんですね。バンドを始める時は邦楽はどんな感じの音楽を通ってきましたか?怒らないでくださいね(笑)、日本の音楽の良い部分が上手く楽曲に出ているバンドだな〜と思ってるんです。HINTOは下手な海外志向のバンドとかには到底出せない日本の音楽ってのがしっかり身についていると思いました。良い意味で。これは真一さんからバンドに影響する所でしょうか?
真一:レピッシュ、ユニコーン、カステラなどは確実に影響を受けてますね。どのバンドにも独自のユーモアがあってそこに惹かれました。日本の音楽の良さっていう部分ではやっぱりコウセイの歌詞とメロディによる所が大きいと思います。日本語の面白さとそれに絡むメロディっていうのを大事にしてるんでしょうね。
Taka:EQDとの出会いを簡単に。
真一:中尾憲太郎さんに紹介して頂いたのがきっかけです。それ以前からEQDのことは知っていてDirt Transmitterを愛用してました。
Taka:そうですね。うちらが憲太郎さんに真一さんを紹介してもらう前に「こいつはばっちりハマるはずだ」って真一さんの事を言ってたのを覚えてます(笑)。って事は普段から海外の小さいメーカーの楽器とかにアンテナを張ってたりします?
真一:凄く詳しい訳ではないですけど普段からSNSやYouTubeなんかでチェックすることはよくありますね
Taka:このセッションで使用したアンプとギターは?
真一:アンプはMesa/BoogieのMARK 1とORANGEのROCKER 30です。ギターはFENDERの American ProfessionalのJAGUARです。
Taka:この二つのアンプの音はどう分けているんですか?
真一:アンプは常に2台同時に鳴らしてますね。同じペダルを経由して最終段に置いてるSwiss Thingsで振り分けてます。元々はMesa/Boogieだけを使ってたんですが深めの歪みやエグめのエフェクトを掛けた時に頭打ち状態になって音が抜けなかったので2台鳴らすようになりました。1台だけ鳴らしてた時のボリュームが3だとして、ORANGEを一緒に鳴らすことでMesa/Boogieのボリュームを2に落としてスピーカーに余裕を持たせて不足した分をORANGEで補うっていう感じですね。
Taka:なるほど、そういう出音の作り込みの方法もありますね。勉強になります。真一さんはいろんなプロジェクトでギターを弾きますがやっぱりギターとかアンプって色々対応できる様に一杯持ってますか?それとも音作りの基本はペダル主体でしょうか?
真一:ギターはジャンクなものも含めてそれなりに持ってます(笑)。アンプは今回のセッションで使った2台に加えてMarshallのJTM45をMARK 1と合わせてSPARTA LOCALSで使っています。その他のプロジェクトではライブハウスのアンプを借りて使用してます。どのプロジェクトにも共通してるのはアンプはクリーンにしてペダル主体で音作りをしてることですね。
Taka:ボーカルの安部コウセイさんとの音の住み分けってのは普段はすでに決まっちゃってますか?それとも曲によってその場の状況で色々変えるとか?この二曲では弾いているフレーズは別として、個人的に音色的には同じ辺りにいるけどエフェクターを使ってお互い浮き上がるフレーズを引き分けている感じがしました。
真一:曲によってパターンは様々ですが僕の音色がエフェクティブなことが多いので自然と分離することが多い気がしますね。個人的にはどういうリズムで弾くかってことに気をつけてます。そうすることでお互いのフレーズが絡み合い曲に広がりが出たり立体的になったりするのかなと思ってます。
Taka:なるほど。絡み合いとか立体的な広がりってところ凄く分かります。どちらともシングルコイルで薄い所が出てるんですが、凄く立体感が有るから太くも膨よかにも感じます。ちなみに真一さんはギブソン系のギターも弾きます?真一さんはシングルコイルのギターが好みでしょうか?俺は真一さんはフェンダープレイヤーだと印象が有ったんですが。
真一:はい、HINTOでもファイヤーバードとレスポールカスタムを使ってます。曲によってハムバッカーの音が欲しい時があるので。でもメインとなるとやっぱりフェンダーのシングルコイルですね。ハムもシングルもどっちも好きなんですが自分のプレイスタイルやバンドの音楽性により合うのはシングルコイルの音かなと思ってます。
Taka:お気に入りのフェンダーギターを一本選ぶとしたら?
真一:テレキャスターとジャガーで迷いますが今はジャガーですかね。ジャガーはペダルとの相性が凄くいいギターだと個人的に思ってますね
Taka:ビンテージギターなんかにも興味が有って沢山所有してるとか?
真一:ビンテージは全然持ってないですね。持ってるギターはほぼ現行のもので唯一持ってるのは20,000円くらいで買ったテスコですね(笑)。もちろん興味はあるんですけど値上がりする一方なので現実的じゃなくて。個人的には新品のギターを自分の色に染めていくっていう過程が好きですね。
Taka:ゴールドホイルのピックアップ似合いそうですね!真一さんの足元を見るとそうそう簡単には比べられないのは承知なんですが(笑)、他のメンバーも結構機材好きなんですか?
真一:僕ほどではないと思います(笑)。でもみんな自分の機材にこだわりを持ってますね。
Taka:今思いつく大好きなペダルはなんですか?幾つでもどうぞ。
真一:一足先に触らせてもらったAfterneath V3は大好きですね。エクスプレッションペダルを繋いでこの音ありきのリフとかができそうですね。
Taka:それではデモをお願いしないと(笑)。この2曲から感じる真一さんのフレーズって凄くユニークなエフェクト音を使ってるんだけど、音の奇抜性に頼るんじゃ無くてもしエフェクターが無くてもフレーズのみで成り立つ様な、王道のギターを通って来た人のフレーズって感じます。それともただ単に真一さんの歳の味が出て来ているのでしょうか(笑)?作曲やギターのリフが生まれる時ってペダルをいじくってる時が多いですか?それとも例えば普段はアコギでフレーズを思いついて、その後にエフェクターを足していく感じですか?
真一:それはご指摘の通り僕がEric Claptonをきっかけにギターを始めて王道のギターを通ってきたからだと思います(笑) 。作曲やギターリフを作る時はどっちのパターンもありますが素の音で作ってそれに合うエフェクターを足していくことの方が多いです。ペダル主体で作った場合はそのペダルが故障したりした場合曲が成立しなくなることがあるのでフレーズ自体を考え抜きます。でも今回演奏した『なつかしい人』などはペダルあってこそのギターなのでとにかくペダルを大事に扱うことを心がけてます(笑)。
Taka:その心がけのお陰で(笑)バンドでキーボードプレイヤー的な役目も音の面でこなしてると思いますが、作曲の段階でいわゆる”ギター”の部分とエフェクターを加えた”キーボード的”なかぶせる部分ってのを分けてリフとか作りますか?キーボード系のかぶせ物はなるべくギターで行いたいとか。
真一:キーボード的な極端な音色でリフを作ったりする場合はある程度出したい音を先に決めてその音が活きて曲の中でちゃんと機能するかどうかを考えてますね。ただ僕はほぼ直列でエフェクターを繋いでるので音色の切り替えがなるべくスムーズにいくようにってことも意識してます。それでもめちゃくちゃ大変な時はありますが(笑)。あと4人のアンサンブルで完結するというバンドの暗黙のルールみたいなものがあるのでキーボード的な部分は僕が担ってるんだと思います。
Taka:真一さんが感じるEQDのペダルが他と違う所は?
真一:抽象的かもしれませんが音作り、デザイン、パッケージング、色んな所から滲み出てくる温もりですかね。ペダル作りに関わってる人たちの顔が見えてくる気がするんです。
Taka:音的な所はどうでしょう?誤解を恐れずに言いますが、俺はEQDは昔のペダルに敬意を表しながらも音色の部分は間違いなく手は加えられてて現代的な音だと思ってます。ちょっとパリッとしてるような。突き抜けてくる部分がエフェクト音にあるような。メーカーの人間から見るとそこらへんが現代のライブやレコーディングでプロが使う際に使いやすい理由にもなってるのかな?と思ってるんですが。人それぞれ音の好みがあるので、肌に合わない所もあると思うんですが、使ってみてダメとかマイナスになる所は無いかな?とも自負していますが。
真一:確かに僕も現代的な音だと思います。歪み系など元ネタがあるようなペダルでもただのクローンでは終わってないですよね。Palisadesとかはまさにいい例かなと思います。あとは幅の広さも凄いと思います。Erupterの様なワンノブのシンプルな仕様の歪みからData CorrupterやRainbow Machineの様なぶっ飛んだ音までを同じメーカーがコンパクトエフェクターっていう形にこだわってリリースしてるっていうのはなかなかないですよね。なのでどんなジャンルのミュージシャンが使っても必ずお気に入りの一台っていうのがあると思います。
Taka:ちなみにEQD以外で真一さんが気に入ってるブランドは?ボードを見て思ったんですが、アナログとデジタルが見事に共存している感じで勉強になりました。
真一:HINTOのボードで言うとelectro-harmonix、Strymon、Empressですかね。エレハモは自分がペダルを選ぶ時の判断基準になってるものがいくつかあって、ディレイだとメモリーマン、ファズだとビッグマフが自分の音の基準になってます。場所は取りますがムダにデカい筐体も好きです(笑)。StrymonとEmpressは多機能なとこと音抜けの良さですね。僕は自分の欲しい音が出るならアナログかデジタルかのこだわりはないですね。
Taka:EQDがお付き合いしてないアーティストでこいつはEQDはハマるぞ!って真一さんがお勧めできるアーティストっていますか?
真一:日本人のアーティストではありませんがMarc RibotにAqueductを使ってみてもらいたいです(笑)。いちファンとして自分が影響受けてきたギタリストたちがEQDのペダルを使ってどんな音を出すのか凄く興味があります。
Taka:なるほど(笑)それではちょっと調べさせてもらいますね!Marcにはぜひハマって頂きたい。ペダル送ろうかな!
それではここからは、曲ごとの細かい質問になります!
なつかしい人
Taka:00:20のイントロではエクスプレッションペダルを使ってますがこの風の様な部分はどうやって作ってますか?
真一:この部分は3つのペダルで核になる音を作ってます。音のアタックをなくして深めのリバーブをかけてそれをローファイな質感に変えて、更にその音をエクスプレッションを繋げたTransmisserでコントロールしてます。まさに風の音をイメージしました。
Taka:01:30このブリッジの部分のコンピューターみたいな音は?あとビデオで見るとその部分の音の出方とピッキングのタイミングが違うので、この「ピコピコ」の部分は何か面白いシーケンス系のペダルを使ってるのかと思ったんですが。
真一:この部分はEventideのH9を使ってますね。ディレイ音のピッチを変えられるプリセットを使ってそれにビットクラッシャー系のエフェクトをプラスして壊れかけのコンピューターの様な音にしました。
Taka:01:48 この風の様な音は?
真一:これはさっきの壊れかけのコンピューターの様な音にTransmisserをプラスしてエクスプレッションペダルでコントロールしたものです。
Taka:02:37 このサビの風の様なモジュレーションはイントロと同じものですか?
真一:はい、この部分はイントロと同じ音作りですね。
Taka:03:04 俺個人的にはこの部分がこのレコーディングで一番印象に残ってる所です!目をつぶって聞いたらラッパか口笛で作ってる様な音で、なんかギターでやるからこそのヨロヨロ感も最高で。
真一:そうです、この部分はトランペットの音をイメージして音作りしました。この曲は全編でビットクラッシャー系のエフェクトをかけてるのでこのヨロヨロ感が出たんだと思います。
Taka:03:18 この発振の音のエフェクターは?
真一:ここはBOSSが80年代に出してたハーフラックサイズのディレイを使ってます。この ディレイにはモジュレーションがついててそれをかけて発振させると時空が歪んだ様な音になるんです。
Taka:03:37 このサビの部分のオートワウ/フィルターですが、何を使ってますか?ちなみに真一さんのボードにはワウが載ってますが、オートワウとの住み分けってどう行なってますか?俺だとそこは「ワカチャカワカチャカ」ってワウをファンキーに使っちゃう所なんですが(笑)。
真一:この部分はZOOMのコンパクトサイズのマルチエフェクターに入ってるオートワウを使ってますね。僕はワウペダルはフレーズにうねりをつけたい時に踏むことが多くてオートワウはファニーさやバカっぽさを出したい時に使うことが多いです。
Taka:05:25このアウトロも使用ペダルは同じですかね?若干違うモジュレーションが聞こえる気がするんですが。
真一:ここは最後にRainbow Machineを踏んで更に空間を歪めてます。
トキメキドライ
Taka:まず曲のポイントに行く前に。この曲では歪みペダルって使ってますか?全体的にクリーンっぽいけど、若干歪んでいる感じにも聞こえます。
真一:歪みペダルは一部で使ってますね。歪み量的には浅めです。オートワウがかかってる部分はクリーントーンに近い音です。
Taka:ちなみに「これは外せない」っていう真一さんの中での定番の歪みのペダルってありますか?
真一:歪み系は今でも試行錯誤してるんですがディストーションはRATが常に基準になってます。HINTOでもRATのクローンモデルを使ってるんですが今後はLife Pedalがその座を奪いそうです(笑)。あとSPARTA LOCALSではPalisadesがメインの歪みになってるのでこれも外せないですね。
Taka:お〜!これ言っちゃうとRATファンに怒られそうなんですが、なんかRATって真一さんのマルチタレント的な部分についてこれない感じがするんですが(笑)。良い意味でも悪い意味でもRATはRATの音で、真一さんはいろんな音が出せる人なんで、逆にRATみたいなペダルが基準って意外でした!
真一:RATもきっかけはGraham Coxonが使ってたからっていうシンプルな理由なんですよね(笑)。最初に買ったディストーションなんでそれが基準になってしまったというか。
Taka:簡単で良いのでSPARTA LOCALSの際のPalisadesの設定を教えて頂けますか?実際にライブで体験していますが、太さと抜けがとても気持ち良く、耳への突き刺さり感がとても心地よかったのを覚えてます。Marshallも兼用しているようですがとてもRockなサウンドでした。
真一:Voiceは1、Bandwidthは3、Volumeは10時、Gain Aは8時~9時、Gain Bは10時、Toneは1時、ミニスイッチはBRIGHT側でBufferはオンにしてます。Marshallはソロとか音量をガツンと上げたい時にMesa/Boogieと一緒に鳴らしてますね。
Taka:05:41 このテープの逆回転っぽいエフェクトは真一さんですか?
真一:そうです、DL4のリバースモードを使ってますね。
Taka:それにビットクラッシャー系のエフェクトを掛けてますか?スペイシーなエフェクト感が良いっすね。
真一:ビットクラッシャー系のエフェクトは使ってないんですがdigitechのWhammy RICOCHETでピッチを上下させてるのでスペイシーな感じになってるんだと思います。
Taka:06:30 これもオートワウですか?その後のAメロの裏で真一さんが使っているペダルは?クリーントーンに何か乗ってる感じですが。
真一:はい、ここはSpatial Deliveryを使ってます。その前段にあるWhammyもオンにしてあって5thの音を足してます。その後のAメロではWhammyをオフにしてSpatial Deliveryのみオンで途中からディレイをプラスしてます。
Taka:さっきZoomのマルチのオートワウの話が出てきましたが、Spatial Deliveryとの使い分けは?音色とかエフェクトの効き具合の違いがあって違う種類のオートワウ二台を使い分けているんですか?
真一:ZOOMの方はこのマルチの中でオートワウにプラスして他のエフェクトも足してるので単体というよりいくつかの音を組み合わせて一つの音にしてるっていう使い方ですね。
Taka:09:18 サビの部分の真一さんの使用エフェクターは?
真一:ここはSpatial Deliveryのみですね。普段この曲を演奏する時はエレハモのMICRO Q-TRONを使ってるんですが今回のセッションではSpatial Deliveryを使いました。Q-TRONは音がピーキーになるのでコンプで痛い所を叩いてるんですがSpatial Deliveryだともっと細かく設定できるのでコンプなしでいけました。
Taka:いろいろ話を聞いてみると、マルチとかを使ってても一つのペダルで完結する音作りより、いろんなペダルの組み合わせを楽しんでいる感じですかね?大掛かりなループスイッチャーを導入してないのも気に留まりました。原音の痩せも出音からは感じませんでしたし。
真一:そうですね、色んなペダルの組み合わせで新しくて面白い音を作るっていう作業が好きですね。ループスイッチャーを導入してないのもそういう理由なのとライブとかでその日の気分によって直感的に操作したいからなんです。音痩せに関しては間違いなくしてるはずなんですけどそこに囚われ過ぎないようにしてます。最終的にアンプから音が出てそれがアンサンブルに混じった時にどう聴こえるかってことを大事にしてます。自分の出したい音がどういう音なのかっていう所ですよね。
Taka:それわかります。”綺麗に”音が出すぎても、バンドの中の音として成り立たない時が有るんですよね。そういえば、自分のセットアップを組む所で”殺したい所”をパッチケーブルやDCケーブルの種類を変えて変化を出すなんて事したりしますか?お気に入りのケーブルメーカーが有るとか?
真一:そこまでこだわりはないんですけどペダルの数が多い分パッチケーブルの量も多くなるのでトラブルに対処しやすいようにボード内は全てソルダーレスにしてます。なので音というより耐久性と取り回しの良さ重視ですね。最近だとOYAIDEのパッチケーブルが作りやすい上に頑丈で良かったです。
Taka:これからの真一さんの活動予定は?こんな時なんでHINTOも予定がいろいろ変わってきてると思います。
真一:今年HINTOが結成10周年ということで2月から10ヶ月連続ワンマンを行う予定だったんですがこの状況なので延期、中止になった公演もあります。ライブもいつ再開できるか分かりませんが今はとにかくエフェクターいじりまくって自分を高めておこうと思います。Rainbow Machineを使って誰も聴いたことがないようなリフを作ることが僕の最新の予定ということにしておきます(笑)。
Taka:ありがとうございます!まあ今年から真一さんがEQDと絡む機会は多くなると思いますので、私たちもこれからの真一さんの活動を応援させて頂きます!
Taka Tozawa アースクエイカーデバイセスのカタログ、説明書、SNSやビデオ等の翻訳を行っている。アメリカ、サンフランシスコ在住。ヒップホッププロデューサーDan the Automatorのツアーギターリストでビンテージ機材が大好物。
EQDが好きな外国人の友達の多くは、みんな口を揃えて「Black Ashがファイバリットだ!」と言います。なんだったら「オマエもそう思うだろ!?」というような目で訴えてきます。しかし、ここ日本においてBlack Ashというモデルはさほど知られていません。いや、EQDの伝説のラインナップとして密かに知られている、と言い換えることもできます。