弦高とトレモロ
takahiro tozawa
フェンダーのトレモロのチューニングを保つ5つの重要点
Fenderのストラトのトレモロか~… 愛されながらも憎まれて。そして大体のケースでいつもイライラさせられて。しっかりと調整されて面倒を見ない限りは、この怪物は使われた時にいつもあなたのチューニングを狂わせます。このブログでは幾つかのセオリーとコツ、そして過去30年の仕事で培った技をあなたとシェアしたいと思います。フェンダーのストラトを修理した後にチューニングが完璧に保てると私のクライアントはいつも「どうやって直したの!?」と聞いてきます。思いっきりに過激にアーミングした後にでもです。私の目的はあなた自身でも同じ結果を得られるように手助けする事です。
これらの良くある問題を解決するには、ギターと弦の接点全て(もちろんフレットとあなたの指は除きます)を見なくてはいけません。5つの重要な部分が有り、その一つ一つを細かく解説し、ヘッドストック部分から始めてブリッジ部分に下がる様に見ていきましょう。
チューナー
勿論チューナーは大事ですが、人が思うほど重要では有りません。そうは言っても質の高いチューナーをギターに付ける事は非常に助けになります。チューナーの機構に遊びが無く固すぎもせず使えるのが最適です。ペグの部分と内部のギアの部分どちらもです。もし弦を付けていない状態でペグを前後ぐらぐらに動かせる事ができるなら、大きな問題の原因になるかもしれません。トレモロの付いてないギターでしたら安いチューナーでも上手く使う事ができますが、ストラトや類似したギターは丈夫で安定感の有る物でなければいけません。
そう言えば、ストラトのヘッドの本当の天才な所は弦が真っ直ぐと直接チューナーに伸びている所です。ギブソンと違ってナットの後ろ側の溝が斜めになっていいません。これはチューニングを保つチャンスを沢山上げてます。なぜなら弦の角度の変わる回数はその部分で2度(チューナーに向けて下にきながら斜めに曲がる)行う代わりに、一度だけで(チューナーに向けて下方向に)済むからです。
弦の巻き方も同時に大事です。トレモロの付いたストラトでは、可能な限りチューナーのポストに巻く弦の回数を少なくします。これの理由は、巻かれた弦が実際に上と下に巻きついている弦に挟まる様な感じになり、アームを使った時に元のチューニーングに戻る弊害になるからです。私は上から下へ綺麗に均等で、ワウンド弦でしたら2、3巻、プレーン弦は3から5巻にする感じですね。そして弦の巻き数が多くなるほどナットでの弦の方向の変わる”角度”が急になります。この角度はナットからチューナーまで弦が下がっていく角度です。角度が大きくなればなるほど、チューニングが元に戻らなくなる可能性が高くなります。ここは弦がナットに普通に収まる感じになる程で、浅い角度を付けたい所です。その理由で私はたまに一番低い”E”弦を(状況に応じて”A”弦でも行う時もあります)ポストの上に向かって巻く時も有ります。これをする事によってナット上でそれらの弦に浅い角度を稼ぐ事を可能にします。
ここから先に進む前に、ロッキングチューナーに対してのアドバイスをしたいと思います。これらは凄く助けになります。それでも正しく使用しないといけないですし、それに弦が正しく巻かれている所を見た事がほとんど有りません。このチューナーの要点はポストに弦を何回も巻きつけなくてもよい所です。これがロッキングチューナーの正しい弦の貼り方です。
チューナーの弦を通す穴をナットの方向に向けて、一直線を作ります。
弦を穴に通します。
限を可能な限り引っ張ります。
チューナーをロック。
チューニーングをする。
余った弦を切る。
一回これをすれば、張られた弦はペグを半分回した位でチューニーングができるはずです。ロッキングチューナーを使用している人を見て弦が何回も巻かれている場合は、いつもギターのオーナーに正しいやり方を簡単に教えています。でなければロッキングチューナーを使っている意味が半減しますからね。
ナット
次はナットに進みましょう。チューニングの問題の90パーセントかそれ以上がここで起きます。ナットの修理は複雑で、トレモロ使用時にチューニングのキープをするには正しく調整されている必要が有ります。
最初に考えられる事はナットの素材です。骨製のナットは殆どの用途で素晴らしいものですが、私はトレモロとの使用では好みでは無い様です。骨は天然の物なので、硬さが一致せず不規則です。一つのナットの部分でも柔らかい部分と硬い部分が有り、骨が成長する時はそうですからね。トレモロ使用時のこの部分の調整はこの不均一な所にイライラさせられる時が有るでしょう。ですから、私はトレモロが付いているギターのナットの取り付け時には、人工の物をいつも使う様にしています。人工のナットは硬さが全ての部分で均一というだけでなく、通常は骨のナットよりも滑りやすい事です!Graph-TechのTusqやMicarta(マイカルタ)が素材としては大好きで使用しています。
次はナットの溝に進みましょう。トレモロの付いているギターではナットが弦に引っかかって欲しくないんです。全くです。私はいつも溝が弦の大きさよりも何千分の一位大きいか確認します。これに加え、溝の底の部分は完全に湾曲してない方が良いです。少しでも平らな感じであれば弦が引っかからない様な助けになります。もしギターをチューニングしている時に”ピーンっ”と音が鳴る様でしたら、まずナットの溝が弦に対して狭いという事です。溝を少し広げ、底を平らにする事で弦の摩擦のポイントを減らします。
もう一点注意したい所は巻弦の”巻”の部分がナットの溝に食い込んでしまう事です。柔らかい素材の物だと特にです。溝の部分にできた傷が問題で、これがトレモロを使った時に弦を止めてしまいます。私は何時も弦の無い状態でルーペで溝を確認し、もし傷が見えたら慎重にナットファイルは紐ヤスリで滑らかに戻します。
ナットオイルを同時に使用するのも良いアイデアの一つです。他にも鉛筆の芯やワセリンを使うのも見た事が有ります。使える物はなんでも使ってみましょう。硬かったり粘り気の有るオイルを使うと音にも影響がでますのでそこは覚えておきましょう。ワセリンをナットに付けたギターは全然鳴りませんでした。私自身のお気に入りの製品は、すばらしいトレモロを制作している”Super Vee”社の”Super Glide”です。もしよければ調べてみてください。音も殺しませんしとても効きます。木の部分や塗装にはこぼしたくないので、どんな潤滑材を使う時も最新の注意を払って付けてくださいね。
サドル
今度はサドルです。ナットの部分で触れた殆どがここでも生かされます。弦がたるんで元のピッチに戻る弦の動きの道を作れる様に、うまい具合に浅くそして丁度良く広い溝がサドルに必要です。そして、ナットと同じで素材が重要です。安いサドルは殆どと言っていいくらい安い鉄で作られており、この用途には適さない柔らかいものです。使い始めて直ぐに弦がダメージを与え始めるでしょう。ここの部分は沢山の選択肢が有り、Graph-Techは独自の素材を使用したサドルに弦を受けるローラーが付いている物も有ります。これら全ては長所と短所が有り音にも多少は影響するので、色々試してみましょう。再度、この部分で大事な事は弦が触れる部分で起きる摩擦を可能な限り少なくすることですので、時間をかけてサドルの溝を削ったり滑らかにしたりしましょう。
ブリッジプレート
ここが沢山のテックも見逃す所です。ブリッジプレートはサドルが載っている部分です。弦は最初にこの部分に当たるので、バリや形の整って無い所が有れば問題になりかねません。もしこれが原因と思われるなら何時も穴の部分をチェックして磨きを掛けます。
極端なケースでブリッジプレートの影響をもっと少なくするには、穴に”溝”を切る事で行えます。ブリッジプレートの弦が触れる部分に少しだけ溝を切る事で行います。これで弦の角度が変わる部分が緩くなり、チューニングの安定の助けになります。
旋回軸
最後に、実際にネジの部分に触れているブリッジプレートの穴の部分のお話をしなければ。フェンダーのブリッジの支点になる部分の動きは主に二つのデザインが採用されています。定番のネジが6つ使われているデザインと、その後に登場した2点で支えるスタイルです。驚きも無いですが、昔のオリジナルのデザインは調整するのは大変です。ですから後に簡単にセットアップできる様に変更されたんですね。
フェンダーの最初の一番よく使われているブリッジのデザインでは、ギター本体にブリッジを付ける6点のネジが支点になっていて、ブリッジ上の各ネジと合うスロット内は尖っていてそこが動きの起点となっています。6個のネジを扱わなければいけないという事は、トレモロが使われる度に”スタート地点”に正確に戻る様にする調整が難しくなる時が有ります。スロット内の尖が無くなって来るとトレモロの”スタート地点”が無くなるので、チューニングが合わなくなる可能性がより高くなります。私は何時もブリッジを外して、トレモロが使える様な良い状態かを確認します。そうでなければ、普段は新しいブリッジプレートの取り付け(可能であれば)か、トレモロがもっと使われる様で有れば、ブリッジ全体を新しい物に変える勧めをします。ここで少しだけでも潤滑剤を使うのも良いアイデアです。調整に関しては、まず6個のネジを全てブリッジプレートから9ミリ程の高さになるまで緩めて、トレモロアームを可能な限り押し、そこからネジがブリッジプレートに触れるまで締め付けます。そしてそこから半回転位ネジを緩めます。これをする事によってブリッジがボディーに対して平らに座る事になり、ネジも均一に締め付けられます。その逆で、もしブリッジをボディーにベタ付けしたければ、心配の種がとても少なくなります。ボディーにブリッジが隙間なしで載っている所が”スタート地点”になり、動きももっと安定します。
2点式のブリッジも基本的には同じ考えです。ブリッジ上のポールが2点が当たる部分が尖っているか、ポールのブリッジが接触する溝の状態も確認してください。
締め
これは沢山の情報でしたが、もしトレモロがニューニングを確保できてなくてもその原因は上記の一つか二つで、全て当てはまる事はまずないと思います。大体の場合は一つや二つの特定の弦のチューニングが狂うくらい(例えば低い方のE弦とかG弦ですね…そうそうそこの貴方)なので、そこに集中すれば良いですね。完璧ってのは無理で、確実で絶対な方法ってのは無いんですが、この仕組みとトレモロを使った時は実際にどうなるかをもっと深く理解してくれれば良い事です。ギターの最高のポテンシャルを引き出せてくれる事を本当に願っています!
Lane Sparberはアンプ、ギター、ベースやエフェクターの修理をニューヨークのクイーンズの街、Fresh Meadowsで行なっています。十代の半ばで機材の修理を始めて現在は46歳なので経験の多さが分かります。工房で機材の修理に追われていない時はランの花を育てるのが趣味。@amptech74 インスタグラムとフェイスブック www.facebook.com/lane.sparber で彼をフォーロできます!