Aaron’s Bass Hole : Stupid Bass Tricks – ベースでアナログシーケンサー
takahiro tozawa
今回は僕のお気に入りのペダルの組み合わせで作る擬似的な凄いシンセ、シーケンサーのトリックを紹介します。
ベースとモジュレーション系のペダルのコンビネーションで苦労する事の1つは、面白い音を作りながらもグルーヴにきっちり合わせる事です。僕は自分の事をただのベーシストと捉えるよりは、“リズムセクションの半分をまかなっている”と見てます。だからどんな音を使っていても、ビートの邪魔にならない様にリズムをより良い物にする事が大事です。あと一晩中タップテンポに付きっきりってのも好きじゃないし、僕はそういう感じの人じゃ無いので。
もしベースがビートだったら?
この特別なペダルの組み合わせを選んだ理由は、ベースをシーケンサーモジュールやアナログシンセの様な音にしてベースその物に引っ張ってもらう為です。
僕の基本のシンセサウンドはBit Commanderでこちらでも詳細を紹介しています。ここからHummingbirdで入力された信号を細切れにしてテンポを決めます。そしてthe DepthsのRateをHummingbirdのスピードのサブディビジョンとして利用し、シンコペーションのアクセントを足せる様にします。最後にGrand Orbiterで少しだけフェイザーの揺れを足して、音を締めると共に活き活きした感じを演出します。
信号の流れ: Electrical Guitar Company Series One Bass -> DarkGlass Super Symmetry Compressor -> Tronographic Rusty Box Bass Pre-Amp -> Bit Commander Octave Synth -> Hummingbird Repeat Percussions -> The Depths Optical Vibrato -> Grand Orbiter Phaser -> TC Electronic PolyTune 2 Noir -> Tech 21 Sansamp RBI
各ペダルの効果を解説する為、すべて同時に使った所から始めてそこから1つずつペダルを抜いていこうと思います。
ここが全てのペダルを使ったものです – Bit Commander、Hummingbird、The Depths、Grand Orbiter
Hummingbirdが分かり易いリズムの“杭”を打ち込む感じと同時に、自分が弾いているノートと同様にビートの周りで他の部分が動いている感じが分かると思います。
そして、Grand Orbiterを抜くと、他の動いている部分の一粒一粒が際立つ感じが分かって頂けると思います。
The Depthsを抜くと上下するシンコペーション感が無くなり、 Hummingbirdの持っているエグさとBit Commanderから出るしっかりした切れの有るリズムが表れます。
そしてこれがBit Commander以外全部外した音になります。あの狂気な音はシンプルな4つのノートのみのフレーズでした。
これが、Hummingbirdのみの音です。
The Depthsのみ。
最後がGrand Orbiterのみ
これがどんな意味か?
僕にも分かりませんが、この一つ一つのペダルを積み重ねたサウンドサンプルで、各ペダルのもたらすユニークな音の小さい変化が、ただペダルをセットして鳴らせば良いって物では無い事が分かって頂ければと。持っているペダルの一つ一つを筆やコーラスグループの声の1つとして“状況に応じて正しい使い方をしているか?”を考えたいですね。
Aaron Rogers (アーロン・ロジャース)アースクエイカーのPRでコピーライター。フリーランスのサウンドエンジニアとしても活躍し、バンドUltrasphinxでベースを担当。