Bo Ningen
Bo Ningen
僕はボーカリストであると共に(多少人より)神経質なベーシストであるがために、エフェクター選びの最重要項目として何よりも”オン/オフ状態に関わらず、楽器や声のキャラクターは保たれるか?原音の美味しい周波数のロスはないか?”を気にしてしまいます。これはエフェクターをベースに使用した際に顕著で、エフェクト音は好みでもOn/Offどちらでも音が細くなってしまって「演奏していて何か違うな」という違和感を産んでしまい、そのせいで最近までビンテージペダル発掘を含む”新しいエフェクター探索”が疎かになっておりました。そして2017年の春、はじめてEarthQuaker Devicesの試奏をさせてもらおうと順番を待っている時のお話です。僕がベースをはじめる前から尊敬するベースヒロインTOKIEさんから「EQDのペダルは低音が痩せないっていうか、逆に音が太くなるのよね」という感想を聞いたのです。実際にアンプに繋いで試奏してみて、TOKIE姐さんのお言葉全くもってその通りでした。True Bypassという言葉はよく耳にしますが、ON/Offに関わらず一切音痩せや言葉に表せない違和感もまったく感じない”True Bypass”に出会えたのはじめてでした。そして同時に驚いたのは、どんなエフェクトをどれだけエグくかけても原音のキャラクターを損なわない事です。”何を繋いでも、何も弾いてもその音になる”というエフェクターも魅力的ではありますが、エフェクトをかけた後でも原音にちゃんとリスペクトしてくれるペダル。というのはとても希なように感じます。はじめて触った日からEQDは、僕の我が儘な願いを叶えてくれる救世主となり、またエフェクターから新しい刺激を求め続ける日々がはじまったのでした。
そんなEQDマジックについて、もう少しだけ語らせて下さい。ソロや特定の曲、ジャンル用にエグいセッティングで永遠に数えられないほどのインスピレーションを得れるのは勿論のことなのですが、EQDペダルはただ単にサイケデリックトリップやブラックホールに向かう宇宙飛行に連れて行ってくれるだけではありません。生活の中でなくてはならない日常品のように、とても柔らかい設定にしてペダルボードで永遠に”On”のままにし、あなたの楽器のキャラクターの一部になることも可能なのです。(僕にとっては後述する”The Depths”がそれに当たります) 全ての目的に対応する…と書くと通販番組みたいになってしまいますが、実際同じエフェクターでも使い方が十人十色なのがEQDペダルの素晴らしいところだと思います。
The Depths™
BO NINGENではベースに使用しているThe Depthsですが、ライブでもリハーサルでも僕のペダルボード上で常時”ON”のままです。曲によってUni-Vibeヴィブラート/トレモロとしても使用するのですが(後述するLevitationを先にかけると、音の尻尾が引っかかって素敵な事になります)。Uni-Vibe機能を使用しない時でも“throb”のノブを少しだけあげることによって低音を底上げするEQとして、エフェクトチェインの最後に僕のベースの個性の一部としていつも光り続けている。自分の音作りに欠かせないペダルになりました。(このテクニックを教えてくれた中尾憲太郎氏には感謝とリスペクトが止まりません)
Levitation™
Levitationは僕のベースの新しい武器として、The Depths同様BO NINGENの新作でも多様しております。普通音のボヤけやニュアンスの暴走を避けるため、あまりリバーブはエレキベースには使われないのですが、映画音楽や打ち込み音楽でこっそり多様されている”ベースにリバーブで低音が爆発”をエレキベースで実現させてくれたのが“Levitation”になります。しかもバンドアンサンブルにもしっかり馴染むので、セッティングの実験が非常にしやすい。既存のベースラインも、音の尻尾が少し伸びることでグルーヴが変わり、演者である僕のプレイにまで影響してくる。そんなペダルです。
Aqueduct®
Aqueductは僕のボーカル用ペダルにおける救世主となりました。以前に使用していた某ヴィンテージビブラートの再現は勿論のこと、音痩せやノイズがなくなる事で外音の音抜けが一段とよくなると共に、ステージでの声のモニタリングが容易になりました。2018年冬のUKツアーから使い始めたのですが、最初の数日で好みのセッティングはすぐに固まり、今でもその設定は変わらず。しかも設定そのままながら、曲によってModeを変えることにより各曲に合わせてまったく違うキャラクターのビブラートを使用する楽しみを喉と耳で享受している毎日です。
Disaster Transport SR™
ボーカル用ペダルとして、僕の新しい親友のDisaster Transport SRはBO NINGENでの使用は勿論のこと、ソロでIll Japonia(trap set)のライブをする際に唯一使っているエフェクターです。A/Bと異なるセッティングを使い分けられるので、Aには”ノイズシンセに複数のエフェクターをかけたようなダブワイズのNoise Wall”を生成するためのセッティング。Bには曲中にリバーブと柔らかいディレイが必要な時用のセッティング…と使い分けて使用しています。その日の気分とサウンドシステムさえ許せば、A/B同時押しによるブラックホールの召喚も吝かではありません。
Palisades™
EQDのペダルには全て言える事なのですが、特にPalisadesはに全ての楽器に使用しています。特にお気に入りなのは、Zoomの安いドラムマシンを突っ込んで各モードの違いで音の粒の違いを楽しむ事でしょうか。ベースに使用する際には、裸のFuzzのような突き刺す音から楽曲にうまく馴染む便利屋としてのオーバドライブ的な音色まで、まさに歪みのなんでも屋さん。完璧です。
“EQDは、数あるブティック系のペダルカンパニーの中でも特に好きで。レコーディングもライブも、メインで使用してます。非常に多彩なバリエーションで、歪み系の王道ものから、もはやそのものが楽器のようなユニークなものまで、つまりロック/ポップスからノイズ、音そのもの、まで、ジャンルや楽器を選ばないので何にでも音が乗りますね。故に欧米ではもはやスタンダードであり、どんなタイプのミュージシャンの足元あるいは手元に一台はあります。音痩せもなく、上質なタッチの音作りから過激なセッティングまでレンジが広くて、個人的に様々なEQD同士を連結させると、選んだペダルの前後で、エフェクト、とそのかかり、に他社メーカー以上の明確なキャラが出るのも魅力の一つですね。”